ナットの役割は、弦が左右に動かない様にする事と
開放時の弦振動の支点になると言う事です。
ですので、どうしても摩擦により溝が磨耗します。
開放弦のビビリが気になる様になった時は、溝が深くなってしまったか、
溝の幅が拡がってしまった場合がほとんどです。
こうなりますと、交換の時期に来ていると思います。
ナットは消耗品ですので、どうしても定期的に交換が必要になります。
交換する場合、ナットの材質により音質やチューニングの狂いに
影響が出ますので慎重に選ぶ必要があります。
安価なプラスチック製ナットですと、チューニングが狂いやすくなってしまいますので、
あまりお勧めできません。
一番スタンダードな音質で、チューニングの狂いも少ないのが、
牛骨ナットになります。
牛骨ナットでも漂白したモノと無漂白のモノがありますが、
無漂白の方が油分が残っていますのでチューニングは安定します。
しかし、無漂白のモノは見た目があまり良くありませんので、
見た目を気にする方は漂白したモノをお勧め致します。
また、漂白ナットをオイル付けしたモノもあります。
このナットは見た目が綺麗で、チューニングの安定性にも優れています。
柔らかい音を出すにはデルリンナット、
硬い音を出すにはグラファイトナットがお勧めです。
耐久性を重視し非常に硬い音を出すにはブラスナットや
金属性のローラーナットがお勧めです。
また、トレモノ付きギターの場合は、
ナットの磨耗がどうしても早くなる特性があります。
ナットは音質やサスティーンに非常に影響を与える重要なパーツですの、
コマ目に状態を確認する必要があると思います。
また、長く使っていますと、ナット溝に汚れが付着して、
チューニングが狂う原因になったり、サスティーンが悪くなったりします。
弦を張り替える時にでも、ナット溝の汚れをチェックして見て下さい。
ナット溝が黒くなっている場合は、汚れがかなり付着していますので、
専用の溝切りヤスリで軽くこすって汚れを落とすか、ヤスリが無い場合は、
裁縫用の針の先でナット溝にキズを付けない様、丁寧に汚れをかき出してください。
汚れを綺麗に落とした後は、溝にナット潤滑剤などを塗っておくと良いと思います。
